『 世界に一つだけの花 』

 岐阜市 妙圓寺  佐々木 博 師

 

 今年、我が家でよく口ずさんでいた歌がありました。その歌は、槙原敬之さんが作詞、作曲、スマップという人気グループが歌っている「世界に一つだけの花」という曲であります。
 小学校の子どもが「クラスの歌に決まって毎朝みんなで歌うんだ」といって子どもが、口ずさんでいるうちに家族みんなで口ずさむようになりました。
 歌詞を見てみると、なるほどとうなずけることに気付かされました。
,1にならなくてもいい、もともと特別なOnly One。
花屋の店先に並んだいろんな花を見ていた。
人それぞれ好みはあるけど、どれもみんなきれいだね。
この中で誰が一番だなんて争うこともしないで、
バケツの中誇らしげにちゃんと胸をはっている。
それなのに僕ら人間は、どうしてこうも比べたがる?
一人一人違うのにその中で一番になりたがる。
そうさ、僕らは、世界に一つだけの花、一人一人違う種を持つ。
その花を咲かせることだけに、一生懸命になればいい。
という歌詞です。
 仏説阿弥陀経の、青色青光、黄色黄光、赤色赤光、白色白光の教えに通ずる歌詞だと感じました。
 青色の蓮の花が、黄色い光を放とうとしても、それは苦しみが増すだけで、ますます自分を見失っていきます。
 とかく、この頃は、大人のみならず、子どもの世界にも競争の波が押し寄せ、誰かと比べられ、みんなと同じ事をしないとからかわれたり、いじめに発展していくことがあるようです。
 私は私の色があり、わたしの持ち味を出して生きていく。そこには、比較や、偏見やは許されないことであるのです。
 私が私らしく生きる。こんな当たり前のことを当たり前に実行するとき、人としての輝きが見いだせるのです。

                              合掌