『 ある日曜学校のご縁に 』

 根尾村 西光寺  橡川 常彰 師



 

 あるお寺の日曜学校でのお話しです。
日曜学校とは、日曜日に近所の子供達を集めてお経の練習をしたり御法話を聴いたり、時には一緒に遊ぶ集いの事であります。
 そこのお寺の住職さんは、ご高齢でありましたが熱心に子供達にご法話をしてくださる方でありました。
それはこんなお話でした。
『たとえ天地がひっくり返っても仏様のお慈悲にかわりはありません。』
 毎週々、来る度に、その話しを聞かされたものですから、子供達はその言葉をしっかりと、憶えました。
ほどなくして、そのご住職さんは、ご高齢の為、引退される事に成るのですが、今度は子供達が、その言葉を伝えていってくれました『言葉の意味は分からないけれども、たとえ天地がひっくり返っても仏様のお慈悲に変わりはないと、住職さんが言っておられたね。』と。
そして、その子供達が大きくなってから、御縁があり、その言葉の本当の意味を味あわせて参られた事でありました。
こうして、次の世代の人達にしっかりとお念仏の法が伝わった事でありました。


                              合掌