『 お釈迦様のお誕生 @ 』

 本巣市 正尊寺 杉山 雲来


 少し前日曜学校のこども達にこんなお話をしました。
『あたり一面にきれいな花がさきほころぶ四月。マーヤーさまはお産のためにマーヤさまの両親の家に帰っていました。ルンビニーという花園で休んでいる時、急にめまいがしたので、近くの木によりかかりました。
 その時、かわいい赤ちゃんが生まれたのです。
 「王子さまのおたんじょうだ!」とみんなが喜んでいると、生まれたばかりの王子さまは七歩あるき、小さな手で天と地をゆびさして、「わたしは すべての人々を しあわせにするために 生まれてきました」と言われました。』
 こうしてお話をしている時に、六年生になる女の子が、「ご院さん、そんなの変、生まれたばかりの赤ちゃんが歩くわけないしぃ〜、しゃべれるわけないやん」といぶかしそうに言いました。
 ご存じの通り、先程の一節はお釈迦様がお誕生になった時のエピソードとして語り継がれている部分です。
子供は正直です、大人なら「『花まつり』のお話か」と黙って聞くのですが、本当はその子が言ったように理にかなっていません。
 わたしは、その子に「○○ちゃん、君がすごっく沢山の人から尊敬される一生を送り、君の子供や孫の時代にもそのことが語り継がれたら、きっと二百年か三百年先には、○○様は生まれた時から優しい言葉でお話をされたと言うことになると思うよ」と答えました。
お釈迦様のお誕生があったらばこそ、いま私たちは真実の教えに出会うことが出来るのです。

                               合掌