『 おちつきどころ 』

 本巣市 西光寺 橡川 常彰 師


 仏説阿弥陀経さんには、極楽浄土の荘厳や、阿弥陀様のおいわれ が、書かれております。
 そこに説かれる、極楽浄土はとても美しい所で、七つの色で輝く 宝石や、美しい鳴き声の様々な鳥、八つの功徳のあるおいしい水 がある事や、そこに暮らす人たちは、お互いにそれぞれの個性を もって光り輝いている世界であることが、説かれます。
 それは、お互いの違いを認め合う世界でもあり、自分のものと人 のものを区別する必要もありません。
 そしてこの命が終わったら、そこへ生まれさせて頂くてだてのお いわれが説かれており、ガンジス川の砂の数ほどの色々の仏様方 がそのおいわれの真実であることを説いておいでになると、説か れます。
 しかし、命が終わってからのおいわれと聞くと、生きている私達 にはあまり関係がない事のように思えてしまいます。
そこで、このお経さんの中に、今現在説法という言葉がでて参り ます。今現在を生きる人の為にこの説法を説く、と言う意味だ そうです。西方浄土のおいわれは、今から2500年も昔に、
今を生きる私の心の落ち着きどころとなるように、お釈迦様がお 説きになられた御説法でありましたと味あわせていただきましょ う。
                                                                 合掌