ここでは、住職とその仲間のお寺で運営している「テレホン法話」を掲載しています。法話は一週間ごとに変わっていきます。
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『 ご縁とよろこぶ道 』
大野町 西光寺 野村 了嗣 師
「雨潸潸とこの身に落ちて、わずかばかりの運の悪さを恨んだりして・・」 これは何かのお聖教の一節ではありません。「愛燦燦」という歌の歌い出しのところであります。作詞作曲は小椋佳。そして美空ひばりが歌ってヒットしました。ちなみに今年は美空ひばりの十七回忌にあたるそうです。 さて、「運の悪さ」を最初に意識するのは、僧侶の場合、たいていはお寺に生まれたことではないでしょうか。それもけっしてわずかばかりではなく、たいへんな運の悪さとしてです。「何言ってるんだ、丸儲けのくせに・・」という口の悪い同級生の言葉が聞こえてきそうですが、「やなこと言うね、人生いろいろ、でしょう・・?」と笑って受け答えできるようになったのは実はそんなに遠くない過去のことであります。なかなかご法話で聞かせていただいているように「これも尊いご縁でありました・・・」と絵に描いたようには慶べておりません。 それでも恨んでばかりの人生ではなく、今こうしてテレホン法話のご縁をいただいていることは、言ってみれば不思議なご縁でありまして「人生って不思議なものですね」という「愛燦燦」の歌詞もなるほどと思えてくるのであります。しかしながら、それもこれも良き法友に恵まれて・・・と感謝しております。 ちなみに法友とは「同じみ教えを聞く友、あるいは同じみ教えの道を歩む友」と言った意味合いのことばです。 お釈迦さまは、生老病死と先ず四つの苦、「四苦」を示されましたが、苦の最初に生すなわち生まれたことを持ってこられたことは意味深長であります。生まれてきたという事実は生まれる前には戻れないことであります。 先ず、私たちは生まれてきたという事実を真正面から受け止めなければなりません。すべてはそこから始まるわけでありますが、その先をお話させていただくには時間がなくなりました。次回のご縁とさせていただきたいと思います。 合掌