ここでは、住職とその仲間のお寺で運営している「テレホン法話」を掲載しています。法話は一週間ごとに変わっていきます。

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『 知らぬまに念仏 』

本巣市 正尊寺   杉山 雲来

 先日ご門徒とバス旅行に行ったときのことです。私の2・3列くらい後ろのご婦人方の会話です。
 真宗講座の時、「なんまんだぶつ、なんまんだぶつ・・・・」ずっと念仏しとる人いるよね、お話の内容と関係なく始終念仏しとる、ちょっと変やとおもわへん?そうそう、のべつまくなしで、あれはちょっとやりすぎやと私も思う。」
 などなど・・・という会話から、
 「そう言えばうちのお婆さんも昔、始終念仏し取ったわ。なに考えとるんやろ?」と、ちょっと馬鹿にしとった。
けど、この頃真宗講座で話し聞いとるせいか、知らんまに念仏しとる時があるんやわ、ビックリしてまう!
 「年とったせいやない?」
 「そうかも知れンねぇ〜」
というものです、私は思わず頬がゆるみました。というのも、その会話の主、この3年間一度も休まず法座に出席している方の声だとわかったからです。まだ五十代で三年前に真宗講座を立ち上げた時から熱心にお聴聞されるようになった方です。
 確かな法は聞くことによって、自ずとその人の中に入り働き出す。しかも、本人が意識をしようとしまいと活動をする、そこに生きた法の証があるのではないでしょうか。自らの計らいを離れた念仏があることを、何気ない会話の中で知らされ、お聴聞するということは、いかに素晴らしいものであるか、あらためて思ったことです。

 


                               合掌