ここでは、住職とその仲間のお寺で運営している「テレホン法話」を掲載しています。法話は一週間ごとに変わっていきます。
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TEL 0581−34−4242
『 両足尊@ 』
関市 光圓寺 日野 安晃 師
「リョウソクソン」あるいは「リョウゾクソン」という言葉をお聞きになったことはないでしょうか?二本足で歩く動物、つまり人間の中で最も尊い方という意味のお釈迦様を讃える呼び名でありますが、私には、ああ、仏さまとは白分の両足でしっかりと大地を踏みしめて立つことができる方だったんだなあ、と味わわれます。言わずもがなのことですが、これは、杖や義足を使われなかった、という話ではありません。地位や名誉や財産、家族、私たちは、みな何かを頼りにしながら生きているのではないでしょうか?いや、私は何も頼らずに生きてきた、という方もいらっしゃるかもしれません。けれども、その方は、自分の足で立っているというよりは、自我を立て通してきただけなのかもしれません。 「死んだらどうなるのか?」こう聞かれて答えられる人は稀だと思います。「そんなこと考えたこともない(考えても仕方がない)」とか「あの世なんてものが本当にあるんだろうか」という方が多いのではないでしょうか。そんなことより、この世を如何に生きるか、後悔しない生き方ということのほうが大切だと…。いかにももっともな話ではあります。けれども、そんな生き方を模索しつつ、結局は不安と焦り、後悔と無念のうちに生を閉じなければならない方がほとんどではないでしょうか。それは、結局最終的には白分という、頼りにならないものを頼りとするから、必ず当てが外れなければならないことになっているのです。 「死んだらどうなるのか?」の問いは、あなたは自分のことを何でもよく知っているように思うかしらんが、実は何にも分かっていないのではないか、ということを知らせてくれる間いなのです。 合掌