ここでは、住職とその仲間のお寺で運営している「テレホン法話」を掲載しています。法話は一週間ごとに変わっていきます。

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『 お念仏が出ない 』

本巣市 正尊寺   杉山 雲来

 

 私はご法事の時、最後にお勤めをする阿弥陀経の間に回し焼香をしてもらいます。
 それについては、その前に少しご法一話をします。その中でアミダ様の働きをお一話しし、せめて、ご法事でお焼香し手を合わせるときには、「なもあみだぶつ」とお念仏を声にだしてお参りして下さいとお願いします。
お話をする中では、ほとんどの皆さんがウン・ウンとわかったと言う感じで頷いていて頂けますが、いざお焼香が回り始めても、一向にお座敷の中にはお念仏が響き渡りません。
 「なんまんだぶ」たった、六文字の言葉、こんな簡単なことを称えるのはいとも簡単に出来ると思うのですがなぜだろうと思っていました。
 そんなことをいつも考えていたら、妙好人、因幡の源左さんの言葉に出会いました。『鈴というものは、振ると鳴る。それは、中に玉があるから玉がなければ、振っても鳴らないお念仏が出ないということは中に信がないからだ。』
 そうなんでしょう、一人家に帰った子どもが「おかあさん」と呼ぶとき、その子には母の実体がちゃんとある、だから、大きな声で呼び回るのです。南無阿弥陀仏と働いているお慈悲が私のお腹におさまっていなければ、たった六文字のお念仏が声となって出ないのでしょう。
 となれば、私の口からお念仏が出る時、今間違いなくアミダ様の働きの中にいるのです。

                               合掌