ここでは、住職とその仲間のお寺で運営している「テレホン法話」を掲載しています。法話は一週間ごとに変わっていきます。

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『 ホトトギス 』

揖斐川町 善明寺    徳岡 健秀

 「鳴かぬなら殺してしまえホトトギス」と歌った織 田信長、「鳴かぬなら鳴かせて見せようホトトギス」 と歌った豊臣秀吉、「鳴かぬなら鳴くまでまとうホ トトギス」と歌った徳川家康それぞれの性格や、そ の政策がよく現れている歌だといわれています。 これらの歌はみなさんもご存じだと思いますが、もし 親鸞聖人ならこのホトトギスをどのように歌っただ ろうかと考えられたことはおありでしょうか。
  ある 先生はこのように私に教えてくださいました。親鸞聖人ならきっとこう読まれただろう「鳴かぬなら鳴 かずともよいホトトギス」と。なんだそんなことか と思われるかもしれませんが、この歌は阿弥陀様の お慈悲を表している歌だと思います。たとメ1.ば今日 一日腹を立てずにすごそう、と決めて実行できる人がどれほどおられるのか、人をねたまずにおこう、 愚痴を言わずにおこうと決めてもなかなかできな
い。親鸞聖人はそんな私たちを見越して、あるがま まをそのまま阿弥陀様にそのままお壬せすればいいん だよとお示し下さっています。
  阿弥陀様はうまく鳴くことのできない私たちを、見捨てず、無理に鳴か せようともせず、ただ待っているだけでもなく、すべてつつみ込んではたらき続けて下さっています。
「鳴かずともよい」と言う言葉には、全責任を負うという重みがあると思います。まさに阿弥陀様のご本願そのものであります。

                            合掌