ここでは、住職とその仲間のお寺で運営している「テレホン法話」を掲載しています。法話は一週間ごとに変わっていきます。

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『 おおせのままに 1 』

関市 光圓寺    日野 安晃 師

 

 お経はお釈迦様が質問に答える形で説かれてあるものがほとんどですが、阿弥陀経は「無問自説の経」と言い、お釈迦様がお弟子の問いを待たずに自ら舎利佛尊者に向かって「南無阿弥陀仏」一筋の道を説かれたものであります。
すなわち、あなたの人生にいかなることが起ころうとも「南無阿弥陀仏」のお念仏と共に乗り越えていくことができるのだと。これは逆に言えば、「お念仏以外に私の人生を全うする道が無い」ということであります。
 それ故、お釈迦様はこのお経様にはお念仏以外には何も説いておられません。
 ところで実際には、「お念仏なんて称えたってそれが何になるというんだ。世間の物事は地位やお金が物をいうのであって、学問・知識やその時々の常識に従ってやっていかなければどうにもなりませんよ。」と、思っていらっしゃる方がほとんどではないでしょうか?
 けれども、仏様の仰せを自らの浅い知恵で思い計らい、役に立たないと独り決めしている人間の現実が家庭や職場で、ひいては世界各国で紛争を繰り広げているのを見る時、いわゆる世間の常識というものが私たちを幸せへと導いてくれるものとはどうしても思えません。なぜならば、仏様に見抜かれた通り。全ての苦悩の源が無明、「どうせ死ねばそれで何もかも終わり。だから自分さえ良ければそれでいいんだ。」という我が思いにあるからです。
 「今さらこの便利な生活を失いたくない。子どもや孫の代には自分たちで何とかするさ。」こんな思いが、今や地球規模で異常気象をもたらすに至った環境破壊にも繋がっているのです。
 真の幸せとは、私の都合の良いように世の中を変えていこうとすることではなく、仏様の仰せのままに仏様の願われる人生を自ら歩まさせていただこうとすることなのです。

                            合掌