ここでは、住職とその仲間のお寺で運営している「テレホン法話」を掲載しています。法話は一週間ごとに変わっていきます。

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『 仏事 A 』

本巣市 覚勝寺  鷲見 真人 師


  今日は、仏事についてのお話その2として、ご命日と蝋燭の色についてのお話をしたいと思います。

命日とはなんの日ですかと聞かれたら、死亡した日のことですと答えられるかもしれません。
  ご命日と言いますと、ご法事が思い浮かびます。誰々の3回忌とか、誰々の7回忌とか。 ご法事をお迎えする時に、「何を用意したらいいですか」と質問されることがあります。
そのような場合、お餅とか、お菓子とか、果物とかのお供えの他に、蝋燭の色について一言付け加えます。「3回忌までは白色ですが、7回忌からは赤色の蝋燭を用意してください」と。

実は、赤い蝋燭を使うという所に、ご命日はなんの日かを考える上で、大切な意味があるのです。赤い蝋燭は、他にどのような時に使いますか?たとえば、お仏壇を新しく購入されて、ご本尊をお迎えしたときの、お入仏の法要とか、結婚の報告や、赤ちゃんが誕生した報告をする時にも赤い蝋燭を使います。赤い色には、お祝いの意味があります。

なぜ7回忌の法事から赤い蝋燭にするのでしょうか。ここに、死亡日でなく、ご命日とあらわす大切な意味があるのです。死亡日とは、故人が死亡し、この世からいなくなってしまった日のことですが、なむあみだぶつの仏様の教えをいただくとき、死んで終わった日ではない、仏様の世界、お浄土に、新しく生まれられた日なのです。仏様の命をいただいた日なのです。

ですから命の日、ご命日とあらわされるのです。この日のお勤めが、ご法事なのです。 仏様のお誕生日のお勤めと考えれば、なるほど、そういうことなら、赤い蝋燭を使うのもうなずけますね。
  ただし、そうは申しても、大切な方を無くされた寂しさが、3回忌までの白い蝋燭にあらわされるのです。寂しいだけで終わらせない、必ず仏の命を与えるぞとのお心が、ご命日という言葉にこめられているのです。




                               合掌