ここでは、住職とその仲間のお寺で運営している「テレホン法話」を掲載しています。法話は一週間ごとに変わっていきます。

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『 親さま 』

岐阜市 超宗寺  鷲見 充晃 師

 孫娘が結婚することになり、夫婦で「今後の当家の面倒を見てくれる」と言ってくれた。
とても有難いのだが、ただ相手の姓を名乗るとのこと。そのことがとても気になって仕方がない。先祖代々受け継いだ姓。ここで変えちゃ申し訳ない。「何とかご院さんからいってもらえないか?」と相談を受けました。
 婆ちゃんの気持ちはよく分かるが、それは若夫婦が決めること。今日までの長き間にあらゆることを伝えておけば、ひょっとしたら変わっていたかもしれない。
 もし、孫が授かっていなかったらどうしたでしょう?それこそ、男の子であったらどうであったか?
子のため、先祖のためと言いながら、いかに自分本位であるか。この私は、あらゆることを知らずしらず補修し自分のものさしが正しきことのように周りまでも当てはめてゆく。
 亡き人を通して仏様とのご縁をいただきながらも、自分の都合で仏様までも見てしまう。仏様の光に照らされて初めてそんな得手勝手な自分に気付かされます。
 こんな私だからゆえ「放ってはおけん」と立ち上がり、親と名乗り出て下さったのが御立ち姿の阿弥陀様です。
母親が我が子を思うのと同じ立場にいて下さる阿弥陀様。私にとってはいつまで経っても親様なのです。




                               合掌