ここでは、住職とその仲間のお寺で運営している「テレホン法話」を掲載しています。法話は一週間ごとに変わっていきます。
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『 蓄え 』
揖斐川町 善明寺 徳岡 健秀
ある日子供と一緒にドラえもんを見ていると、こんなお話をしていました。お母さんがおやつにお餅を持ってきてくれました。のびたくんもドラえもんもお餅が大好きで、喜んで食べていました。二人で食べていると最後に一つ残りました。 そこでどちらがそのお餅を食べるかで喧嘩です。喧嘩をしているとお母さんがやってきて、「そんなことで喧嘩するならお母さんが食べます」といって食べてしまいました。そこでのびたくんが「もっとたくさんあれば喧嘩なんてしなくてすむのに、ドラえもんお餅作る機械はないの。」というと「あるよ」 と言って自動餅製造器を出しました。そして二人はその機械 に餅米を入れてスイッチを入れました。 次から次にお餅が出てきます。それをぱくぱく食べながら、のびたくんは聞きます。「あの餅米でいったいどれぐらいお餅ができるの」すると ドラえもんは機械の目盛りを見ながら「259個だよ」と答えます。それを聞いたのびたくんは「じゃあ僕が130個でドラえもんは129個だね」と言います。r違うよ僕が130 個でのびたくんが129個だよ」と言ってまた喧嘩が始まる というお話でした。 どちらにせよ100個以上のお餅を食べきれるわけがないのに、それでも相手より少しでもたくさんほしい。世間でも信じられない額のお金を動かす人がいますが、何のためかというともっとたくさんのお金を得るためです。持てば持つほどほしくなる、本当に私たちの煩悩はきりがありません。お釈迦様は、托鉢に歩かれてもその目にいただく分しかいただかなかったそうです。蓄えを戒められました。今現在の私たちの生活では、蓄えなしというわけにはいきませんが、蓄え に縛られている自分に気づき見つめ直していきたいものです。
合掌