『　私の宗教　』

本巣市　正尊寺　　鈴木　一生

　先日、妻の友達のＡさんが出産祝いにと大阪からわざわざ来てくれました。その時初めて私はＡさんに会ったのですが、礼儀正しく、とても清楚な感じがする真面目な方でした。彼女は創価学会の信者さんでした。
　このことはあらかじめ妻から聞かされていたことで、Ａさんも私が浄土真宗の僧侶であることを承知の上で来ています。そして創価学会のことについて聞いてみると、活動に大変熱心に取り組んでいるそうで、うれしそうに丁寧に答えてくれながらもさりげなく私たちを勧誘してくるのでした。
　「ちゃっかりしたもんだな。」と思いましたが、Ａさんは自分の宗教が素晴らしいものとして話してくれているので、悪意は無いと確信しました。それよりも、私の世代の人の多くはまだ宗教に無関心で、宗教の大切さが薄れているような今の時代の中で、他宗であっても自分の宗教をしっかり持っているＡさんに感心しました。
　今の時代、世間に宗教をはっきりと押し出すと煙たがられることがあります。しかし、だからといって私の宗教が変わるわけでなく、恥じる必要もありません。Ａさんの姿を見て改めて思いました。
浄土真宗の私たちには、素晴らしいお念仏があります。いつでも声に出して称えて下さい。自分の宗教、そして、お念仏を大切にして下さい。



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　合掌