ここでは、住職とその仲間のお寺で運営している「テレホン法話」を掲載しています。法話は一週間ごとに変わっていきます。

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『 ともに生きている 』

本巣市 正尊寺  鈴木 一生

 

 生後半年を越えた私の子どもは、最近よく軟語を「あ〜、う〜」と言います。まだハイハイもできないのですが、少しずつ腕の力はついてきてるようです。
 ある時、少しの間子どものそばを離れていると「えいっ、えいっ。」と掛け声のような声が聞こえてきました。何をしているんだろうとこっそり覗いてみると、子どもがプルプル震えながら四つん這いになり、必死になって動こうとしていたのです。でも、掛け声ばかりで動けません。「がんばれがんばれ」と思いながらず〜っと覗いていると、疲れてやめるまで5分位続けていました。
 たぶん、覚えも無い本能的なことなのでしょうが、普段見ない姿にとても驚き、そして、小さな一つの命が懸命に努力して生きていこうとする姿として見えました。
 子どもは親がいなければ育ちません。また、親は子どもを育てていくものです。このことは間違いではありませんが、これが当たり前になっていくと幼児虐待・車中置き去りなどのように親が子どもの全てを都合よくできると勘違いしかねません。そして、子どもだってただのんびりと育っているわけでもないのです。
今回のことで、私にもある親としての驕り、また、子どもは親を頼りながらも懸命に生きていることを感じさせられたことでした。



                               合掌