ここでは、住職とその仲間のお寺で運営している「テレホン法話」を掲載しています。法話は一週間ごとに変わっていきます。
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『 良寛さん 』
岐阜市 正蓮寺 鷲岡 護 師
良寛さんは、江戸時代の禅僧で、歌人としても有名です。また、素朴でこども好きであったそうで、次のようなエピソードも残っています。 ある日のタ暮れ時、良寛さんは、こども達とかくれんぼをして遊んでいました。日が暮れると、子ども達は、田んぼにうまく隠れた良寛さんを探し出せないまま、家に帰ってしまったそうです。あるお百姓さんが田んぼに来ると、そこに良寛さんが、隠れています。驚いたお百姓さんが話しかけると、良寛さんは、言ったそうです。 「静かに!そんな大声を出したら、こども達に見つかってしまうではないか。」 と。 さて、その良寛さん、お念仏をたいへんよろこばれた方でもありました。お念仏の句を、ご紹介します。 おろかなる 身こそなかなか うれしけれ 弥陀の誓ひに あふと思へば 草の庵に 寝てもさめても 申すこ と南無阿弥陀仏 南無阿弥陀仏 有り難いですねえ。 また、良寛さんには、辞世の句と呼ばれる句が、いくつも残っています。それもご紹介します。 散る桜 残る桜も 散る桜 形見とて 何か残さむ 春は花 山ほととぎす 秋はもみぢ葉 うらを見せ おもてを見せて 散るもみぢ 良寛に 辞世はあるかと 人問はば 南無阿弥陀仏 といふと答えよ 歌ではありませんが、死に臨み、何か言い残すことはありませんかと聞かれた時には、「死にとうない。」とおっしゃったとか。 庶民の中で生きた禅僧であり、念仏者でもあった良寛さんの信仰・お人柄が偲ばれます。 良寛さんのお墓は、新潟の浄土真宗本願寺派隆泉寺境内にあります。
合掌