ここでは、住職とその仲間のお寺で運営している「テレホン法話」を掲載しています。法話は一週間ごとに変わっていきます。

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『 輪廻の流れを渡す仏 』

大垣市 縁覚寺  楠 真 師

 

 お釈迦様は35歳の時にこの世の真理を悟られ、その真理に目覚めた人という意味で「仏陀」となられました。悟りを得たということはあらゆる物事に対してする執着を離れ、貪りや怒り、愚かさの世界から抜け出たという意味で解脱したとも言われます。
 お釈迦様は、自分は生死輪廻を繰り返すことは無く、この世の生存が最後だとおっしゃっておられます。
 80歳で亡くなった時、この体が感じ取る苦楽も無くなり完全な平安な世界に至ったということで「涅槃」に入られたと表現されました。それは煩悩の火が吹き消された状態という意味です。
お釈迦様の悟りの内容については、たくさんの事柄や表現があるのですが古い経典によると「真理に目覚めて仏陀となったということは輪廻の流れを渡りきったことだ。」と書かれています。
 それでは輪廻とは何かというと、迷いの世界である生死を繰り返すことを言います。とてつもない苦しみを味わう地獄・底なしの欲深さの餓鬼・誰かに虐(しいた)げられる畜生・争いの耐えない修羅・愚かな人間・我を忘れる天の世界、これら6つの世界をぐるぐる回ることを六道輪廻と言い表してきました。私たちが死んで、後に至る世界と言うよりは現に生きている間に陥る様々な世界でしょう。
 古い経典によると、「仏陀となるとは自らがこの輪廻の流れを渡るだけではなく、あらゆる縁ある人々をもその輪廻の流れを渡すことができる人を仏陀と呼ばれるんだ。」と書かれています。仏様とは、他者を利益するはたらきそのものだと受け取ることができます。
                               合掌