ここでは、住職とその仲間のお寺で運営している「テレホン法話」を掲載しています。法話は一週間ごとに変わっていきます。

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『 阿弥陀様からのサイン 2 』

岐阜市 妙圓寺  佐々木 博 師

 

 前回は、阿弥陀様が全身で私たちに向け変わることの無いサインを出して下さるとお話させていただきました。今回は、阿弥陀様のお姿から私たちにどのようなサインを出されているのでしょうか?
 阿弥陀様の右手を見てください。軽く手を挙げられ、人差し指と親指を軽く添えて小さな円を描かれています。この右手からのサインを「召喚」と言います。
 「召喚」とは、「俺が俺がという自己中心的な殻から一時も早く出よ。」と叫び声をお聞かせいただくことであります。
私たちは気付かないうちに、良いことは全て自分の手柄、悪いことは全部他のせいにしてしまいます。私たちの心には、自分を善とし他人を悪とすることがあります。その心をそのままにしておくと、「自分ひとりで生きているんだ」という傲慢な姿が見えてきます。その私の姿に「目覚めよ」と呼び起こして下さっているサインであります。
 二つめのサインは、阿弥陀様の左手を見てください。手をおし、いえ、下方に向けこれまた右手と同じように人差し指と親指を軽く添えて円を描いています。これを「摂取」のサインと言います。
 「摂取」とは、摂め取るということであります。お経様の中には、摂取不捨と示されています。阿弥陀様に背を向けて逃げていくより、煩悩の赴くままに生きようとする私を、阿弥陀様はこの私を追いかけて、抱きかかえ、救い取ろうとするのです。そして一度阿弥陀様の手の中に摂め取られた私を、どんなことがあろうとも決して話すことはありません。と、左手でサインを送られているのです。
 私たちが毎日拝している阿弥陀様は、自分の都合によって感謝されたりされなかったりするのではなく、都合に関係なく全ての人々に同じサイン、つまり、「あなたを必ず救うぞ。」という呼び声が阿弥陀様から私たちに向けられているのです。
                               合掌