ここでは、住職とその仲間のお寺で運営している「テレホン法話」を掲載しています。法話は一週間ごとに変わっていきます。
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『 通夜・葬儀・法事 』
岐阜市 正蓮寺 鷲岡 護 師
あるこどもの合唱団が、25周年を迎えます。いままでは、そういう節目に、こどもの記念にと、トロフィーや盾をつくっていたそうです。今回は何にしようかという話題になった時、ある方が、『紅白饅頭というのはどう?』と言われたそうです。 なんとなくほのぼのとする話ですね。 ボクたちが子どもの頃、今から30年以上前になりますが、村で結婚式があると村内に紅白饅頭が配られました。学校の運動会でも、最後に紅白饅頭をもらって下校したものです。それも直径が10センチほどある大きなものでした。 おそらく、もともとは紅白のお餅だったのでしょうが、ある時期、何かのキッカケでおおきな『紅白饅頭』という、言わば文化というか風土が生まれたのだと思います。 子どもの頃、その時代を過ごしたボクにとって、『紅白饅頭』というのは、好き嫌いとかおいしいとかマズイとかには関係なく、何とも心に染みる食べ物であり風物なのです。 さて、葬儀や通夜、法事のお話しです。 仏事とは何か、宗教儀礼とは何か、と言うことにを専門的に定義することはできるでしょう。でも、それを理解することと、『わたしが救われた』ということは同じではありません。仏事というのは、苦もあり楽もある煩雑な日常のなかで、時に不合理さも含めて、まさに節目としての仏縁として成り立つものだからです。 仏事にも押し寄せてきた合理化・簡素化の波に、何かさみしさを感じます。 準備の煩わしさ、仏事でしか食べないような食べもの、久しぶりに会う叔父さん叔母さん、正座の足の痛さ、死の悲しみ。そんなものみんな含めての仏事なのだと思います。そして、阿弥陀さまの願いは、そういうものをすべて見通して、わたしにとどいているのだと、受けとめたいですよね。 お念仏申しましょう。
合掌