ここでは、住職とその仲間のお寺で運営している「テレホン法話」を掲載しています。法話は一週間ごとに変わっていきます。
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『 死にたくない 』
岐阜市 超宗寺 鷲見 充晃 師
先日、90歳近いおばあゃんのお葬式がありました。亡くなられた時の、臨終勤行の時の話ですが、おばあちゃんの息子さん娘さんから、「死ぬ間際まで「死にたくない、死にたくない!」と言い詰めでした。」という話を聞きました。 ふとあるお医者さんのお話を思い出しました。私たちは今を喜ばず、過去を振り返っては、「あの時ああしとけばよかった、こうしとけばよかった。」と悔やんだり、先を見て「ああなりたい、こうなりたい、こうしたい」と先のことばかりで、いのちを頂いて今生かされていることに喜ばず、結果的に「こんなはずじゃなかった」と空しい人生でしかないと。 私たちは、死にたくないけれど、死ななければならない事実を背負いながらの人生を生きねばなりません。思うようにならない人生を思うようにしようと右往左往している私。年をとれば 知恵や知識も失い、世間からも忘れられていく。そんな私をかたときも忘れず、見捨てずにいて下さる仏さまがいてくださる。死んだら全てを失う!死んだらしまい!じゃないんです。阿弥陀さまは、「ひとたびとりてながくすてぬなり」と働いて下さる仏さま。死にたくない!と叫ぶばあちゃんも、死にたくないまま、しっかりと阿弥陀様のお慈悲の中なのです。 合掌