ここでは、住職とその仲間のお寺で運営している「テレホン法話」を掲載しています。法話は一週間ごとに変わっていきます。

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『 叱られる 』

岐阜市  超宗寺    鷲見 充晃 師

 

 みなさんは、お父さんやお母さんからよく叱られる方でしたか?怒られる方でしたか?
 ある小学生が作文に「お母ちゃん、怒らないで叱ってね。」と書いたそうです。怒られるのと叱られるのでは全然違いますよね。
 こんなお話を聞きました。
  ある日、お父さんが両親から酷く叱られた思い出を小学5年生のあきら君にしみじみと話しました。「父さん、あきらと同じ5年生の時だった。面白半分に下級生をいじめてな、その子を泣かせてしまったんだ。」そのことを知った親父からえらい権幕で叱られてな。「人をいじめて喜ぶとは、弱いものを泣かすとは何事だ!この大ばか者が!」と、何発も往復ビンタを喰らってな。だけど親父は、父さんを殴りながら目には涙をいっぱい溜めていたんだ。その時父さん猛烈に反省した。
「そうだ、もう絶対に人をいじめたり、人を泣かせて喜ぶような人間にだけはなるまい。」と、心に誓ったんだ。そして、おふくろも「いじめる人がいじめられる人を悲しませるのよ。さぁ、母さんと一緒に謝りに行きましょう。」と、泣きながら慰めてくれたんだ。
「父さんは親父とおふくろに叱られて本当に良かった。」と、あきら君に語りました。
あきら君は叱られることの暖かさを知りました。
 さて、私自身振り返ってみれば反省させられることばかりです。いかに親の都合で、時には自分の気分で子どもに怒っていることか。自分の恥ずかしさを知らされます。
私たち人間は、恥ずかしいことを知る生き物なのです。しかし、恥ずかしいことを恥ずかしいことだったと気付かないのがこの私です。そのことに気付かさせていただくことも仏様とのご縁なのです。

                            合掌