ここでは、住職とその仲間のお寺で運営している「テレホン法話」を掲載しています。法話は一週間ごとに変わっていきます。
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『 おがみあう 』
池田町 浄妙寺 野村 法宏 師
「いがみあう」と「おがみあう」、「い」 と「お」の一文字違いの言葉ですが、その中 身は、おおよそ似ても似つかぬものです。ど ちらのほうが温もりを感じるでしょうか、言うまでもありませんね。ところが、私自身、 「いがみあう」という方がちかしい目暮らし しかできていません。 こんなことを聞きました。何かの節目に、 親子がお互いに「ありがとう」と言つてみま しょう。たとえば、誕生日。子どもは親に、 今まで育ててもらってありがとう。親は子に、 今まで無事育ってくれて感謝しています、ありがとう、と。ありがとうという言葉をかけ合うとき、いがみあうという言葉が入る余地はありません。「ありがとう」が重なり合って、双方がどこかでつながっていることを感 じ、それが支えとなって明日への大きなエネルギーへとなるなら素晴らしいですね。 ありがとうと言葉が交わせるところに、慈 しみの眼差しが生まれ、いのちの通い合いを 感じ、「おがみあう」という、お互いを大切 にしあう自然なかたちが自ずと出るのではないでしょうか。 私はおがむばかりじゃありません、おがまれていたのです。東井義雄先生の言葉に「おがまないものもおがまれている拝まないと きもおがまれている」という味わい深い言葉がありました。 合掌