ここでは、住職とその仲間のお寺で運営している「テレホン法話」を掲載しています。法話は一週間ごとに変わっていきます。

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『 一期一会 』

揖斐川町  善明寺    徳岡 健秀 師

 

 久しぶりに学生時代の友人ほ会った時のことです。
 懐かしくていろいろな話をしながら萄酒を飲んだのですが、ふと、楽しいんだけれど、学生時代にその友人とお酒を飲んだ時の楽しさとは少し違うなと思いました。同じ人と同じことをしているのになぜと思いましたが、考えてみれば当然のことで、お互いに昔とは違っていたのです。これは悪い意味で言っているのではありません。人に限らずこの世の中のものは、常に変化し続けていると言うことです。
  たとえば桜の花、毎年同じようにきれいな花を見せてくれますが、これも同じではありません。年々木は生長し大きくなる、その年の気侯によって花の多い年少ない年があり、長持ちする年とすぐに散ってしまう年がある、花の色も微妙に違っている、つまりその年の桜はその年にしか見ることのできない一度きりの桜だということです。だから私たちは一度きりの桜を見ることができることを、毎年もっと喜ぶべきではないでしょうか。人との出会いも同じで、また来年あえる、また来月あえる、また明日あえると同じ出会いがあるように思っていますが、同じ出会いは二度とありません。たとえ同じ人と会ったとしても前あったときと比べてお互いどこか少しは変わっているはずです。それにこの世は無常です、また会えると思っていても、また会える保証はないのです。
  人身受けがたし、今すでに受く。仏法聞きがたし、今すでに聞く。この身今生にむかって度せずんば、さらにいずれの生にむかってかこの身を度せん。今いただいているこのご縁大切にいたしましょう。

                            合掌