ここでは、住職とその仲間のお寺で運営している「テレホン法話」を掲載しています。法話は一週間ごとに変わっていきます。

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TEL 0581−34−4242

 

『 五つの眼 』

瑞穂市  善徳寺    藤村 真樹 師

← 音声もお聞きいただけます!  

 「歳をとるのは、いやなもんじゃのう。耳は聞こえんようになるし、眼もみえんようなり、身体中悪いとこばっかりになって、医者と薬漬けやし、若いもんからはうとまられ、早うお迎えがこんかいのう」 お歳を重ねられた方のお言葉というか、愚痴をよく耳にすることです。

老いの苦しみは、寿命が長くなった今の時代の誰にとっても切実なものであります。
あなたとっても私にとっても、人ごとではありません。
お釈迦様が、無量寿経というお経さまの中で、「人は五つの眼を開くことができます」と説かれました。私たちが今普通に見ている眼の他に、あと四つの眼があり、その中の一つの眼のことを「この眼を開かさせられた者は真実・まことを見ることができ、必ず彼岸・お浄土に渡ります」と仰せになられました。
この真実・まことを見るとは、どんなことなのでしょう。
少なくとも、今私たちが見ている眼・肉眼では見ることはできません。
そして、この眼を「開かされる眼」と仰せられるのは、まさに私の眼でありながら私の力で開くのではなく、真実・まことなるものの方から開かせて下さるものであると受けとめられます。

 真実・まことなるものが「眼を開きなさい。覚ましなさい」と私にはたらき続けている方の事を、「南無阿弥陀仏」と味あわせていただく時、老いの苦しみや寂しさの愚痴を申しながらも、お念仏とともに歳を取れる慶びをかみしめさせていただきたいものです。

合掌