7月10・11日  仏教壮年会研修旅行  

毎年7月の壮年会は研修旅行に行っています。今年は昨年に続き1泊で新潟県親鸞聖人越後七不思議をお参りしました。昨年上越国分の片葉の葦(あし)は行ったので、残り6ヶ所のご旧跡を目標に全行程1200qに及ぶ大旅行でした。会員19名マイクロバスに揺られ、途中夕立にあったりしましたが予定通り親鸞聖人のみ跡を慕いすべてをお参りすることができました。

 

新潟まで高速道路をひた走り7時間以上、バスの中はほとんど会話がとぎれる事もなくにぎやかに楽しくあっという間の研修旅行でした。

 

つなぎ榧(がや)伝説の了玄寺
親鸞聖人が炒られた食用の榧の実を植えたところ芽が出てはえた榧の木は、境内40坪の広さに枝を一杯に張っていました。

この木から採れる実には糸を通すために開ける2つの穴が空いています、お庫裏さんからこの話を聞き半信半疑の会員もお土産にもらった榧の実をみて納得。

 

今回は七不思議オリジナル朱印帳を持参しての研修旅行、それぞれ19名分の朱印を記念に押してもらいました。

焼きブナ伝説の田代家
親鸞聖人が越後から関東へ旅立ちに成られるとき、村人がお別れの晩餐をしました。お膳に出された焼きブナを池に聖人が放たれるとフナは生き返り泳いだという伝説です。

その池のほとりに聖人袈裟掛けの榎の大木がありました。江戸時代台風で倒れた二俣の木を切ると、その切り株の片方は親鸞様のお姿、もう一方はフナの形があらわれ、それを大切にお守りしてきたと言う話を熱心に聞きました。親鸞様の切り株は戦後の火災で炭のようになっていますが、フナの方は確かに飛び跳ねるフナの形が浮き出ています。

鳥屋野の逆さだけ伝説
西方寺というお寺のそばに親鸞聖人が杖として使っておられた竹から芽が出て、しかも逆さに枝が出る不思議な竹林があります。「逆さだけ」と呼ばれ天然記念物になっていました。

 

夕立のような雨が降り出し傘を差してのお参り、黒雲の下鬱蒼と茂った竹林の中に聖人のご苦労が一段と偲ばれました。

宿泊は「美人の湯」といわれる月岡温泉、女性会員は一段とお美しくなられたような?
そんな話で盛り上がった夜の宴会でした。

 

三度クリ伝説の孝順寺
親鸞聖人がこのあたりを布教にまわられた時、信徒の捧げた焼栗をまいて仏縁を説いたところ、芽が出て繁茂し、1年に3度実るという珍しい栗林になったといわれている。

孝順寺は新潟の豪農といわれる斎藤家の家屋敷に戦後寺基を移し、贅を尽くした大座敷を本堂にしておられる珍しいお寺である。三度栗の話と豪農の館を一度に体験できた。

 

お座敷上段の間の内陣には昔から伝わる三度栗がお厨子に納められ、ご住職のによってご開帳そのいわれを楽しく聞かせてもらいました。

八房の梅・数珠掛け桜の梅護寺
七不思議唯一のお西のお寺で、最後にまわった梅護寺、全員でお勤めをして、このお寺のいわれを坊守様から聞きました。八房の梅は、この地に滞在中の親鸞聖人が梅干の種を庭に植えたところ翌年芽が出て、
薄紅色の八重の花が咲き、実が八つづつできるようになったそうです。

八房の梅も桜も季節のもので、実物を見られるのは1年のうち数日、時季ハズレに来た私たちのために本堂で標本にした八房梅と桜のおし花を見せてもらいました。

数珠掛け桜は、親鸞聖人が持っておられたお念珠を桜の木に掛けたところ、翌年からお数珠の房のような桜の花が咲くようになったというものです。

ここ数年土の中にウイルスが入り、数本あった天然記念物の桜の木が次々枯れ、最後の一本を樹木医とともに必死で護っておられました。