平成22年12月20日  第17代正尊寺住職本葬  

平成22年11月12日、午前11時34分、享年93才にて正尊寺前住職がお浄土へ出発いたしました。
10月29日持病の肺気腫から気胸になり、岐阜中央病院に緊急入院し治療をして快方に向かっていましたが、11月11日肺炎を併発しあっけない命終となりました。
庫裏完成引渡まで1ヶ月余、総代さん方と協議の結果、葬儀は庫裏完成後行うことが決まり13日午後7時通夜14日午後1時から密葬を総代と近親者で執り行い、12月20日寺院葬として盛大に執り行われました。

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本葬の葬儀壇はお内陣に菊でかざり、お坊さん方も内陣でお勤めしてもらうお荘厳になりました。寒い冬の葬儀一人でも多く本堂の中に入ってお参りできるようにとの配慮です。

 

葬儀壇は1500本の白菊を使い3日間かかり、前住職の名前である雲の峰を表現してもらえました。1時間の葬儀のために手間を惜しまず、花火のような感じがしました。

 
 

午前8時半、総代である本部委員と建築委員の皆様が集まり、出陣式前に新築なった庫裡玄関で記念写真を撮りました。

 

午前9時庫裡大広間に100名を超えるお取り持ちの皆さまが一堂に集まり、葬儀委員長から今日一日の奉仕のお願いがあり、出陣式の様相でした。

 
 

住職からもお願いと、各持ち場の仕事の説明と事務連絡があり、各部門を担当する総代さんが細かく一日の動きを掌握していきます。

 

お取り持ち説明会が終わると、受付記帳をしてもらい受付係の練習台となりました。記帳は混雑を予想しカード形式にしました。

 
 

門前の駐車場は全て受付用のテントが張られ、車を置くことができなくなりました。

 

会葬者の車はあたり一面の農道に路上駐車、田舎であることのありがたさが感じられました。

 
 

本堂では林総代長が会場の最終点検と、葬儀委員長としての立ち位置などを確認されて開式の時間が迫っていきました。

 

 

正午を過ぎるとご法中(ほっちゅう:お勤めのお坊さん)が総代さんに導かれ、玄関へ案内されます。輪番さんをご案内している後藤委員はこの3日後交通事故で急逝され、残念でなりません。

 
 

ご法中は5種のカテゴリーに分けられ、書院や庫裡全てのお座敷に入ってもらいました。二階の二の間三の間には列衆の法友、親戚のお坊さんに入ってもらいました。

 

書院三の間には岐阜別院井上輪番さんと持僧さんが待機です。本山からの達書(たっしょ:弔意文)と院号を広蓋に載せての来寺です。

 
 

2階1の間と仏間には会行事(えぎょうじ:法要のディレクター)と特別法務員の楽僧(がくそう:雅楽を演奏する僧)の部屋です。

 

書院座敷には結衆(けっしゅう:内陣に入る僧)の中川北組寺院の皆さまへ、鷲見会行事から差定(さじょう:法要プログラム)の説明、14名の結衆御遠忌法要前のようでした。

 
 

葬儀開始前の庫裡広間には外界の寒さを避けた会葬者の皆さまが、本堂の様子を映し出した大スクリーンの前で休憩されていました。

 

午後1時定刻、換鐘の鳴るなか出勤の法中が着座、内陣のご院さん方も椅子式にしました。足下が少し寒かったようです。

 
 

開式に先立ち、岐阜別院ご輪番によって本山からの院号達書の伝達、葬儀委員長と住職が恭しく頂きました。
前住の院号は華法院(けほういん)と下付されました。

 

雅楽の生演奏のなか導師副導師が下陣の島内陣に着座、林葬儀委員長が葬辞を述べ、前住職の生い立ちや今葬儀の意義を感動的に会葬者へと伝えてもらえました。

 
 

内陣は菊飾りで見えにくかったですが、三奉請(さんぶじょう)は白房の華篭を全員が持ち散華も行われました。

 

仏教壮年会の福田会長は、前住職の教化活動の一端を心を込めた弔辞として贈ってもらえました。

 
 

法中代表焼香では、かつて正尊寺の法務を支えるために、京都龍谷大学からお参りの手伝いに来てくれていた3人の法務員OBが九州から駆けつけてくれました。

 

住職と若院共に喪衣を着て焼香、森田責任役員も腰骨圧迫骨折にもかかわらず、車いすで駆けつけお焼香してくださいました。

 
 

45名の僧侶による本堂が揺れるような大合唱の正信偈、参列者が次々と焼香しお念仏を称えてもらえました。

 

境内には800名以上の門信徒が会葬し、焼香の列は山門まで一杯に並んでいました。

 
 

向拝には9名が一度にできる焼香台が準備してありましたが、満員電車の入り口のように混雑きわまりなくなったようでした。

 

一般会葬者は下足袋に履き物を入れ、本堂縁に上がり焼香して新築の庫裡へ流れるように、動線を考えたのは成功でした。

 
 

焼香が済みが庫裡へと移動した会葬者は、庫裡の中をあちこちと回り、見学会の様相も呈していました。まさに、前住職のお手回しでした。

 

本堂と庫裡をつなぐ大玄関廊下には、門信徒画廊が新設され、前住職と同級生の幼なじみ高木さんの水墨画も飾らせてもらいました。

 
 

お焼香と庫裡見学をされた会葬者は3間幅の玄関で靴を履き境内へと放出、庫裡がとても良い緩衝地帯となって混雑を和らげてくれました。

 

1時間強の葬儀、荘厳にお勤めされました。天気予報では雨マークでしたが、傘もいらずわりあい暖かなお天気で何よりでした。

 
 

葬儀が終わり、午後3時から庫裡大広間で満中陰の法要を親戚門徒お取持ち全員でお勤めしました。本来なら葬儀後の精進落ちでしょうが、命日から一月余忌明け法事となりました。

 

1時間では本堂の片付けが出来ず大広間での法事でしたが、52畳は150名が楽々お参りできる空間でした。

 
 

厨房ではお斎係と地元のお勝手方がお斎の準備に追われていました。40畳ある厨房も充分活用されました。

 

大広間では140名のお斎と慰労大宴会が開かれました。幅60センチの座卓、根尾の西光寺さんから借りてきた甲斐がありました。

 
 

献身的なお取持をして下さった、総代さん、地区役員さん、仏壮の皆さん、仏婦役員さんと地元の皆さまありがとうございました。
おかげで盛大な前住職の葬儀をお勤めすることができました。

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