法事を勤める意義

 

 年忌法事というと亡くなった方の為に勤めると考えがちです。しかし、先立たれた方々は方々は、阿弥陀如来のお救いによってすでにお浄土へお参りされお悟りを開いておられるのです。私たちの追善の力など全く必要とされていないのです。
 反対にこの私たちへ 「いつでもどこでも、どんなことがあっても、けっして裏切られることのない如来さまを信じて、手を合わす人生を送ってくれ。そして私のいるお浄土に生まれてきてくれ」と願っていられることでしょう。
  亡くなった人を偲ぶことを、「訪=とぶらう」といい、たずねていくことです。
  法事はお釈迦様の説法であるお経、特に根本聖典である浄土三部経を読み、その中に説かれる御本願を聞かせていただき、後に生まれしこの私たちも同じお浄土に生まれさせていただくことを確認し、たずねさせてもらう行事です。
  そのなかで、仏となられた故人を偲びつつ、日頃、疎遠になりがちな親族に法事を縁として集まってもらい、皆ともに同じお浄土に生まれる境涯をよろこべる、有縁の和と絆(きづな)を確かめあうことも大切な努めの一つであります。

 亡き方の縁者(特に子どもや孫)は皆ともにお仏壇のまえに座り、一緒にお参りすることは最低のたしなみとしたいしたいものです。