永代経(えいたいきょう)

『永代経』とは、『永代読経』の略で「永代にお経が読まれる」という意味です。そこから「お寺が永代に存続し、み教えが 大切に受け継がれるように」という願いが込められた意味にもなりました。
   
(1) お寺が、永代に護持されていくこと。
(2) 子や孫が、代々み教えを聞き慶ぶこと。

この二つが『永代経の心』だと言ってよいでしょう。そうした願いと志を持って ある程度のまとまったお金や、仏具などをお寺に進納されるのが『永代経懇志』 であり、その伝灯の懇念を受けて、お寺が営む法要が「永代経法要」です。
. 『永代経』のご懇志
(こんし)は、葬儀や年回法要等を機縁として納められるのが一般的です。また『永代経懇志』は「故人のために納める」というのではなく故人の「永代にみ教えが伝わるように」との遺志を受けた施主が「故人になり代わ って納める」ものです。したがって、尊いお念仏のみ教えを伝えて下さったご先祖の遺徳を偲び、私自身が聞法に励んで、今度はその法灯を子孫に伝えて行ってこそ、その名の通り『永代経』と言い得るのです。
正尊寺ではこのような志を受け、春と秋のお彼岸に『彼岸永代経』としてお彼岸のお中日から3日間お勤めをし、ご講師を招きご法話を聞くという法座を行っています。
 

彼岸永代経には南余間(向かって右の部屋)に法名軸をかけ、五具足のお飾りをしてお勤めします。
この法名軸には永代経懇志を進納して頂く縁となられた方々の法名が記載されています。
毎回、法要第2日目には『開闢(かいびゃく)法要』とよぶ、始めて法名が軸に書き入れられた時の法要が行われます。

左は、開闢法要で法名軸の説明と、寄進者に法名の確認をしている写真。

正尊寺永代経法名軸は明治29年から記入が始まり、現在11幅目の掛け軸になっています。

※写真では3幅しか見えないけれど、それぞれ3・4幅を重ねてかけている。

春彼岸永代経

3月20日(春分の日)〜22日

 

秋彼岸永代経

9月23日(秋分の日)〜25日